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寄り添い、支え、手を差し伸べて、ともに歩む「blondy」

寄り添い、支え、手を差し伸べて、ともに歩む「blondy」

2026.08.09

掠れる景色、残る体温

多忙は人を置いて自分勝手に巡り、一年という単位から彩を消していきます。忙しさによって季節の直接的な経験は失われます。 ただ時折、沈殿する印象が気温や陽射しによって掬われることがあります。

忙殺の極致にあっても、この瞬間だけは季節の彩を思い起こせます。

しかし、思い出を掬い続けると、いつかは枯れてしまって輝きを失ってしまうでしょう。 いつか見た桜の花弁、鮮やかな花火、真っ赤な紅葉、地面と空を染める白雪、そうした思い出は繰り返し再生される光景として没個性化するのです。

季節がもたらす彩は、こうして徐々に消えて行き、遂には普遍的な光景として埋没します。

他方、その彩と紐づいた人との思い出というのは掬っても枯れることはありません。 それは愛おしいという想い、楽しいという想い、傷ついたという想い、苦しんだという想いの累積が、過去・現在・未来という人の生を形作るからです。

だからこそ忙しさに記憶が薄れても、自然の光景を忘れてしまっても、人と人とのつながりがあることで、救われたり、より傷ついたりするのです。

今回は、人を支え、人を創り、人を転ばせ、そして人に手を差し伸べる、彩の中で燦然と輝く関係を奏でる「blondy」を紹介させていただきます!

https://youtu.be/O-PWxLCFrI0?si=G3IWyEPezxboReJl

寄り添い、支え、手を差し伸べて、ともに歩む「blondy」

「blondy」は日本のオルタナティブロックバンドです。

ときにきらきらとして、 ときにはざらついていて、 ときにはせつなくて、 ときには喜んでいる。

「blondy」はそういった人間の内面にある多様な感情をギター中心のバンドサウンドで、余すところなく表現しています。

人は信頼する人、大切な人と言葉を交わし合うとき、「楽しい」や「嬉しい」といった一意的な感情だけを得るわけではありません。 相手を思いやって紡いだ言葉だとしても、そこには相手だけを痛めつける茨が巻き付いている場合があります。 ここに刹那的で微細な苛立ちや怒りを相手に覚えてしまい、快・不快の二軸が生まれます。 そして、時間的・場所的な要素(春晴れの喫茶店、夏の夜の散歩道など)が三軸目として加わり、人との関係は立体として、重厚な一つの思い出として、脳に刻まれるのです。

「blondy」の楽曲は、そんな人間関係を誠実に(決して脚色することなく)描き切っています。 それは、透明なボーカルの歌声と歪んで霞んだシューゲイザー的・邦オルタナ的なバンドサウンドによる調和によって表現されています。

そんな「blondy」の素敵な楽曲から2曲紹介させていただきます。

https://youtu.be/ZKDUL-xq3g8?si=nZ0gkxD1abgFwDcM

おすすめ曲

この街を出て

涼しげでありながら熱気のこもった爽やかなギターから始まり、ドラム、ベース、ボーカルと調和することで爽快感が増幅されていく楽曲です。

ただ「この街を出て」で表現される爽快感は、学生の夏休みのような無邪気さと向こう見ずな蛮勇ではありません。 それはすっかり過ぎ去ってしまった時間や関係性の重みを理解したうえでそれに囚われることなく未来へと進もうとする潔い諦めの爽やかさです。

時間は残酷なまでに早く過ぎ去ります。

関係性がどうであろうとそれまで過ごしていた家族とは離れ離れになり、大切な人との関係性や夢と自分との繋がりは、自ら動かない限り維持できず、記憶として残るばかりで消えて行きます。

そして、鬱陶しくてどうしようもない繋がりとみなしていたものが実は大切であったと気付いた頃に、これに手を伸ばそうとするのは途方もない労力と精神的負担を必要とします。

だから、多くの人は成長とともに、人と人との関係性と青春とを記憶として保存し、それを瞬きの光として諦めて、前に進んでいくのです。

傍から見れば、それは敗北であり、現実への屈服であり、ひどく不格好な姿勢かもしれません。

それでも、諦めるという勇気をもって、過去を過去として、過去と現在を繋げてくれる大切な人とともに、前に向かって進むことは人生における進歩です。

過去への執着を捨てて、哀愁だけを抱き、笑みとともに未来へ駆けだす爽やかさ。

「この街を出て」は、そうした人間賛歌が奏でられています。

https://youtu.be/7gD8mL6schI?si=Fc9YIhfBngLrIDIq

生まれた

太く歪んだギターと心持ちを昂らせるドラムから始まる一曲です。

ギターサウンドの歪みと太さは「生まれた」を通した特徴です。 そして、このギターを中心としたバンドサウンドに、気だるげで澄んだボーカルの声音が調和して連関し、衝動的な破壊性と抑制的な現実性が「生まれた」では表現されています。

それは、関係性の修復に対する熱狂的な想いと、その願い自体の不可能性を受容する怜悧な現実認識との相克です。

大切な人と過ごす時間は、すぐに過ぎてしまいます。

だからこそ、人は自らが大切に想う人と1秒でも長くともに過ごしたいと願います。 それは、内面を真摯に見つめたために生じる祈りのようなものです。

ただ、ここに至っても、その祈りが注がれる相手との何らかの出来事によって、相手が関係性を放棄する場合があります。

そうした場合、大切な人への想いは宙へと浮き、心は沈み、双方向的な好意は転移して人を苦しめる毒になります。 その毒は記憶に刻まれた消えない想いを呼び起こし、忘れたくても忘れられない、触れたくても触れられない大切な人の面影を脳裏に映し出します。

傍にいないのに傍にいるように錯覚してしまう、 破綻したのに破綻していないように思ってしまう、 幻想であるとわかっているのに現実だと願ってしまう。

この認識の矛盾によって沈む心は苛まれます。

しかし、それでも、幻想の見せる希望を頼りに、人は前に進んでいくのです。

「生まれた」は、そんな関係性に苛まれながらも、新しい生へと一歩一歩歩んでいく人を支えてくれる曲です。

https://youtu.be/QOLneuFYDYo?si=DZTyXiQSTolvhvMf

道先案内

「blondy」は、喜びや、怒りや、悲しみや、楽しみ、それらが複雑に絡み合って生まれる情動と、その駆動音をバンドサウンドで表現しています。

そして、音楽的な多様性は、前を向けないほど落ち込んでしまった心に寄り添ってくれます。

それは実生活に根付いた人間賛歌です。

ぜひ、誠実で、嘘のない音楽を「blondy」で味わってみてください!

https://www.youtube.com/@blondyofficial6123

https://open.spotify.com/intl-ja/artist/595tucDUdBkKwuw1ilvPnD?si=hGNboy6vTlWIWJFjekcKRQ

https://music.apple.com/zm/artist/blondy/1453794688

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